フォント作成システム”IKARUS”とは、オリジナルフォントデザインからそのスタイルやイメージを少しも損なうことなくデジタル化して新しい書体やその数々のバリエーションを開発するための複合ソフトウエアシステムを示します。
フォント作成システム”IKARUS”から生み出される書体はマスターフォーマット(IKフォーマット)で管理され、必要なフォーマットに変換することができます。
IKARUS の基本構想は2段階に分類できます。
ある既存のデータフォーマット、スキャナーからの原字入力、デジタイザあるいはスクリーン上での直接のデジタルポイントの入力、これらをある一定の数学的に従属しないIKフォーマットへ変換します。
これをライブラリーフォントとして格納します。
格納されているデータはIKフォーマットレベルでサポートされているツールで、より品質の高いデータに仕上げます。
この作業(手作業でのフォントデータのチューンアップ含)を一度完成すればフォントデータそのものの処理は基本的に必要としません。
第2段階 フォーマット変換
完成した高品質のフォントデータを任意の目的とするデータフォーマット(マシンフォーマット)に変換します。
データは必要に応じたフォーマットに数学的変換のみで処理されます。つまり、IKフォーマットがマスターフォーマットとなります。
IKARUS は以下の複数のモジュール郡から構成されます。
TOP | 基本処理構想 | システム導入例1 | システム導入例2 | IKARUSの誕生 |
書体のコピー・削除・名称変更、データのマージ、スワップ、データファイルのリストアップ等を行います。
主にUNIXのシェルスクリプトで構成されていて、お客様の指定で文字の一部、あるいは全体をバッチ処理します。例えばアウトライン処理、ビットマップの形式で文字の位置、大きさを統一する機能等が含まれています。
IKフォーマットに対して新たなる書体をバッチ処理で変更・作成します。
拡大縮小 | 斜体(イタリック) | エクスパンディング(平体化) | コンデシング(長体化) | 輪郭 |
まる味(ラウンディング) | 古風な様式(アンティーク) | 影付け(シャドウイング) | インターポレーション | ハイブリッド |
輪郭線の座標値に、拡大や縮小を決定するファクターを乗ずることによりなされます。
座標は、光学的あるいは電子的な斜体作成の場合、遠ざかれば遠ざかる程、右へ傾斜します。従って外側のアウトラインと内側のアウトラインの不整合が生じます。IKARUS V4においては、字体幅が保たれるよう、カーブと対角方向に比較計算が行われ、修正されます。
IKARUSフォーマットの座標は、X−Yで決められ、X座標のみをあるファクターで乗ずると、字体は太く、あるいは細くなり、光学的・電子的な膨張・凝縮がなされます。同時に垂直線、そしてステムもその幅を変化します。
入力されたオリジナルの輪郭と平行に、IKフォーマットの新しい点の座標を計算することができ、しかもX,Y座標、独立した形式に、任意の新座標を選ぶことができます。
内部あるいは外部の角を別々に、ある曲率でまるくすることができます。このとき、その半径は字体自身の線幅以下に決定されます。
IKARUS
は字体の端を軽く、あるいは強く変換させ、芸術的な書体に仕上げるプログラムも備えています。
影の方向と、その幅の決定により、字体に影をつけさせることができます。この場合に非常に複雑な陰線処理が実行されます。
1つの文字の異なる形(1番適しているには最大に肉付づけされた型と、最小に肉づけされた型の2種)を入力し、比較計算させると、その中間に位置する肉づけ度が自動的に決定されます。
他のプログラムの使用により、例えばグロテスクと古風な型を混合することができます。どちらのバリエーションが良いかは、デザイナーの決定によることになります。
アウトラインデータからビットマップデータの変換時に生じる量子化誤差を防止するためにヒント処理を自動で実行します。加えて自動抽出されたヒント情報を編集する専用エディタ、データのリストアッププログラムもあります。
業界最高水準のエディット機能を持つ、アウトライン作成用「EK」とビットマップ作成用「ES」の二種類あります。
ここでは機能のごく一部分をご紹介します。
フォントディスプレイ:作成されているフォントを一覧で見ることができます。
コンペア:表示されている文字に対し、上下左右で違う文字を別ウィンドウで表示させることができます。
SCデータ、ベジェデータ、IKデータをバックグラウンドにできます。下図はSCデータの例です。
Xディスクコネクタ:2本の交わる線をセパレートできます。
Tディスクコネクタ:T字に交わる個所をセパレートできます。
Iディスクコネクタ:指定された個所をセパレートできます。
Pディスクコネクタ:曲線(または斜線)と直線との交点をセパレートできます。
Lディスクコネクタ:L字などコーナー個所をセパレートできます。
輪郭合成:セパレートされている要素を合成したり、クロスしている輪郭を合成できます。
チェンジラベル:選択したポイントのラベルをかえることができます。複数選択も可能です。
選択した個所がコーナーポイント。
変換後はカーブポイントへ
マージコンポ:編集中の文字と他の要素(文字、エレメント、ストローク、パーツ)を合成でできます。
チャネライズ:横線、縦線の水平、垂直を補正することができます。
修正前
全体を選択
修正完了
ミラー:輪郭を鏡像反転できます。
→
回転:輪郭、文字を回転させることができます。
テキスト:指定のキャラクタを現在使用中のウィンドウにマージできます。
コーナライズ:指定された範囲を直線化して角をつけることができます。
→
<モディフィケーション(修飾)>
インテリジェントスケール:ただのスケールもありますが、この機能では元の線幅を保ったままスケールできます。
元文字
縦方向ステム幅は変えずにスケール
横方向ステム幅は変えずにスケール
チェンジステム:ステム幅(線幅)を変更、統一できます。
→
イタリック:文字に設定した角度の斜体をかけることができます。
→
ラウンディング:輪郭のコーナーに丸みを持たせることができます。
→
デフォーム:文字の外形線の形状を変更して文字変形することができます。
→
ホワイトスペース:ストローク間を相互作用してストロークのステム幅を保ちながらホワイトスペースを修正できます。
→
→
輪郭処理:文字に様々な輪郭処理を施すことができます。
→
ゆがみ:文字変形するためのオブジェクトにあわせ文字を変形することができます。デフォームの発展機能です。
シャドウ:文字に影付処理を施すことができます。
→
フォールド:輪郭もしくは文字を対称変換することができます。
左側部分対象変換
左上部分対象変換
傾き修正:ベースラインに対して傾いている文字を修正できます。
↑変換前
↓変換後
ビットマップをより細かく編集できるプログラム。アウトラインデータをバックグラウンドにし、快適に編集できます。
ここでは機能の一部分をご紹介します。
10×10サイズ編集画面(IKデータをバックグラウンド)
24×24サイズ編集画面(IKデータをバックグラウンド)
36×36サイズ編集画面(IKデータをバックグラウンド)
回転:データを回転できます。
ミラー:データを鏡像変換できます。
スケルトン:中心を計算して1ピクセルの情報に変換します。
スキャナー、デジタイザによる入力サービス、また文字の修正後のデータのプリントを実行します。
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